[レビュー]7つの習慣を読んだまとめと感想2 - 第1の習慣
第一の習慣: 主体的である
世の中決定論が多く受け入れられているが、主体的であるためには決定論に従うのではなく、人間を人間たらしめる4つの能力を駆使してパラダイムを変えていきましょう。といったことが書いてあります。
決定論
決定論とは、外部の要因で物事が決まるということです。本に出てくる例が3つあります。
遺伝子的決定論
「あなたはおじいさん譲りで短気」のような、遺伝子でその人の人格が決定されてしまうといった考え方です。国民性によって性格が決定されてしまうという発言も遺伝子的決定論の例にあげられています。
心理的決定論
「人前に出るとあがってしまう。ひどく叱られた思い出がある。これは親の育て方のせいだ。」のような、過去の体験(トラウマ)が今のあなたをつくっているといった考え方のことです。
これは私もやってしまいますし、ある程度過去の体験が今の自分をつくっていると思ってしまいがちですね。どうやらこのように考えるのは早急なようです。
環境的決定論
「今私がこういう問題に直面しているのは、国のせいだ。」のような、外部の環境によってあなたの今の状態が左右されてしまうという考え方です。
これも生活をしていて、”あるある”な考え方だと思います。
外部の環境と一言で言ってしまうとあまり実感はありませんが、例えば上司や部下のせいで仕事が失敗した、とか、配偶者のせいで自分の人生が悪い方向に進んでいる、などなど身近な人が愚痴っているのを想像するとこの考え方がありふれていることを実感しやすいのではないのでしょうか。
刺激と反応の間には選択の自由がある
「刺激と反応の間には選択の自由がある」といった原則が出てきます。
強制収容所でひどい扱いを受けた人の例が出てきます。どんなにひどい扱いを受けて体はぼろぼろになっても、心だけは自由でいました。それに感化される人が多かったですという話でした。
「刺激」というのは外部から受ける刺激のことです。
「反応」というのは刺激に対して自分がどう感じるか、どうアクションを起こすか、ということです。
この刺激と反応の間には選択の自由があるということです。つまり、外部からの刺激に対して、自分がどう感じるか、どのようなリアクションを取るのかを選択することができるということです。
強制収容所で拷問を受けている間にも、自分の学んだ知識を学生に講義する姿を思い浮かべるといった例が書かれています。想像し難いですが、ひどい状況下でも心は自由ですよという例なのでしょう。
人間を人間たらしめる4つの能力
動物には真似できない人間固有の能力が4つ紹介されています。
その4つとは
- 自覚
- 想像
- 良心
- 意思
です。
自覚
自覚は自分自身を客観的に見つめる能力です。
想像
想像は現実を超えた状況を頭の中に生み出す能力です。
良心
良心は心の奥底で善悪を区別し、自分の行動を導く原則を意識し、自分の考えと行動がその原則と一致するかどうかを判断する能力です。
意思
意思は他のさまざまな影響に縛られずに、自覚に基づいて行動する能力です。
主体性
主体性の定義が本の中で紹介されています。主体性とは、自発的に率先して行動することだけを意味するのではなく、人間として自分の人生の責任を引き受けることも意味するそうです。
「責任」といった言葉も出てきます。
具体的には自分の行動に責任を持ち、状況や条件付けのせいにしないということが大切です。
反応的な人は外部からの刺激に流されてしまい、社会的な環境にも左右されるので、結果的には主体性を失うことになってしまうということでしょうか。
ヴィクトールフランクルの 人生の中心となる3つの価値観
人生の価値観として、ヴィクトールフランクルの価値観が引用されています。
人生の中心となる3つの価値観とは
- 経験
- 創造
- 姿勢
です。
7つの習慣のでは、このなかの姿勢が一番大事だと紹介しています。
人生で経験することにどう反応するかが最も大切だということです。今までの本の流れを汲むと、想像に難くないですね。
人間には動物にはない固有の能力があり(自覚、想像、良心、意思)、環境や外部からの刺激に対してどう反応するのかを決めることができます。その選択をする心持ちが大切なんだと理解しています。
率先力
率先力について書いてありました。
人を引っ張っていく力には変わりはなさそうなのですが、注意点として、自己中心的になるのではないということが書かれています。
関心の輪、影響の輪
この章の最後に「関心の輪」「影響の輪」という概念が出てきます。難しい概念だったので一度で理解するのは難しいかもしれません。
関心の輪
懸念していることから興味のあることまで、自分の関心が向いているものの範囲のことです。
影響の輪
関心の輪の中でも、自分がコントロールでき、影響を与えられるもののことです。
主体的なら影響の輪は大きくなる
つまり、関心の輪の中に影響の輪が入っているイメージですね。関心ごとの中の一部に自分がコントロールできることがある、ということです。
主体的な人は、自分が影響を及ぼすことのできる範囲を広げていくので影響の輪が広がっていきます。
インサイドアウト
前回紹介はしていませんでしたがチラッと出てきた概念で、インサイドアウトという用語が章の最後にが出てきました。
「問題が自分の外にあると考えるならば、その考えこそ問題である」
外にあるものが変わらなければならないと考える思考では主体的になることができません。この考え方は外部環境がまず先に変化して、それから自分が変わるという考え方で、「アウトサイドイン(外から内へ)」と理想の真逆となってしまいます。
主体的な人の変化のパラダイムはインサイドアウトであり、自分の内面にあるものを変えることで外にあるものを良くしていくという考え方をしていると紹介されています。
私たちには行動を選択する自由がある。しかしその行動の結果を選択する自由はない。
p108
決意を守る
影響の輪の最も中心にあるのは、決意し、約束をしてそれを守る能力です。
これが主体性の本質だと書かれています。
自覚、良心、想像、意思を働かせるために、すぐにできる具体的な方法が紹介されています。
それは、何かを約束してそれを守ることです。
どんなに小さな約束でもそれを実行することで、少しずつその場の気分よりも自尊心のほうが重みを増していくので、目標を立て、それに向かって努力することで、主体的な自分に一歩近づくということでしょうか。
「1日10分で良いので運動する時間を取る」など自分の健康につながる目標を立てると一石二鳥でよさそうですね。